真夜中のホトトギス

時計は、すでに夜の12時を回っています。
突然、真っ暗な空から鳥の鳴き声が聞こえます。
「キョッキョッ…キョキョキョ」
けたたましい鳴き声。

お風呂からあがって出てきた長女も
「鳥が鳴いているね」
と。

嫌な鳴き声です。

昔々、私が高校1年生の夏の夜、母とこの鳴き声を聞いた事があります。

「こんな夜中に鳥が鳴いている」
「嫌だね、なんか不気味」
「あれはホトトギスだよ」
「鳥なのに夜中に鳴くんだ」
「でも、不気味〜」

という会話を台所の片付けをしていた母としたことがあります。
いくら夜に鳴く習性があるからといっても、こんな真夜中、まるで帰る方向を見失ってしまったかのように必死で鳴いているので、闇の中に声が響き渡ります。
鳥は鳥目で夜なんか飛ぶわけが無いと思っていた私は、嫌なことが起きる前触れのような気がして仕方がありませんでした。

そして翌日、
私たちは、宮城県沖地震に襲われました。
それから、この夜に鳴くホトトギスの鳴き声は大嫌いです。

そして、今日、またも真夜中に響くホトトギスの声。

長女と
「嫌だね…」
と言いながら床に着きました。

今週は、気温の変化や習い事などなどそれぞれヘトヘトに疲れていました。
ということで、みんな爆睡。




午前1時。
けたたましく携帯が鳴りだしました。

緊急地震速報です。

時間がありません。
長女は飛び起き、
私は熟睡している次女を抱きかかえました。
部屋の電気を付けて、テレビのスイッチを。

ギシギシと不気味な音と共に揺れ始めました。
上の階の方も起きてバタバタしている気配がわかります。

エリアメール。
「来る?」

わずかの時間の間に大きな地震の覚悟を。

でも、余震は震度3でした。

長女と私は
「やっぱり地震来たね」
と。
主人が当直でいないので
女性陣3人は心臓バクバク。

偶然とはいえ、やはり真夜中の鳥の声は不気味。

毎日いつ来るかわからない余震を気にしながらの生活。
たまりません。
by hahamego | 2011-06-04 06:50

手枷足枷で我が道をなかなか行けないショボイ母の日々のため息的ひとりごと。

by hahamego
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