突然の別れ

主人の父が、入院してわずか一週間で他界してしまった。

先週、義母から連絡があり主人は、息子として医師として父に会いに行った。

戻ってきた主人のことばに明るい兆しは無かった。


その時までに、

東京に住む長女は病室の父を訪ねた。

それが最後に。


その時までに、

私は父の携帯へ電話をした。

つらそうな父は自分で携帯を受け

苦しそうに答えた。

次女が話そうとすると

その前に父はもう話せなかった。


もう少しがんばれるかと思っていたら

翌朝、その時が来た。




父に再会した。

何年ぶりかで会った父の顔は、とてもきれいだった。

穏やかに見えた。


そして、


私たちの知らない父の姿の扉が開いた。

父と関わった方々から語られる父の姿。

楽しそうな父の日々の姿に

思わず父を苦笑いで見る。



父は本当にマイペースだった。

自分の望みを優先し、叶うまで意志を通し続けた。

息子である主人も先に逝ってしまった弟も

そしてもっと先に逝ってしまった母も

父を囲む者は本当に翻弄された。

時には怒りに震え、

父との距離は離れていった。

それは父の寂しい想いにも堪えられなくなってしまった。



でも‥


突然の別れは

父との距離を縮めてくれた。

二十年以上の月日分を。

父を囲む人たちとの距離も。


そして、父が思うように私たちの心が父のそばに。

また父のペースになってしまったような‥父を見て苦笑い。



父が一番心配していること。

それはきっと義母のこれから。

だいじょうぶ、安心してください。

あなたの願い通り

離れていた者たちの心が一つになって

見守って行きますから。




苦笑いついでに欲を言えば

一人残されたあなたの息子に一言が欲しかった。

「すまなかった」‥‥と。

その時を迎える前に。
by hahamego | 2010-07-11 02:50

手枷足枷で我が道をなかなか行けないショボイ母の日々のため息的ひとりごと。

by hahamego
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31